【卒業生目線】高専に進学するメリット・デメリット

私は工業高等専門学校→地方国立大学→地方国立大学大学院(修士)という順番で進学し、現在は素材メーカーで働いています。自分の人生で1番悩んだ時期が高専時代であり、高専生や高専進学を考えている人に参考になるようメリット・デメリットを卒業生目線でまとめていきます。

高専(工業高等専門学校)とは?

工業高等専門学校とは、中学卒業後に5年間一貫教育が受けられる学校になります。国立の学校が多く、各都道府県に大体1校くらいあります。学ぶ内容を高校と比較すると次のようになります。

  • ・高校普通科…普通科と比べると、文系科目は浅く学び、理系科目は深く学ぶ。
  • ・工業高校…数学や専門科目などは遥かに高レベルのことを学ぶ。しかし、溶接等の技能的なものは工業高校の方が学べる。

イメージとしては、高専+短大になり、卒業すると準学士と称することができます(※大学学部卒業の場合は学士の学位が得られる)。卒業後の主な進路は就職,大学編入,高専専攻科進学になります。下の図は文部科学省ホームページよりの引用です。

高専と高校・大学との制度上の関係
文部科学省ホームページより引用

高専のメリット

専門分野の基礎がしっかりと形成できる
高校普通科→大学というルートに比べて専門分野を学ぶ期間が長いため、専門分野の基礎が確実に身につき、エンジニアとしての素養が培われると思います。特に大卒と比べると、プログラミングや回路作成などの手先を動かす能力が高専卒の方が高いと感じます。

先生がある分野のスペシャリスト
基本的に先生は博士号取得者です。博士号の取得には査読付き論文を数本通す必要がありますので、先生方はそれぞれの分野のスペシャリストになります。高専のときは、このことに気付きづらいですが、高校生の年代からそのような先生に指導してもらえることはとても良いことだと思います。

大学編入した場合、普通科→大学進学に比べて費用が安い
普通科に進学した場合には、学習塾に通い大学入試に備えることが一般的です。その一方で、高専生は学習塾に通う必要はありません。夏期講習や冬期講習なども考えると学習塾代はかなり高価なので、費用を大幅に削減できます。また、実家から通える大学がない場合には、一人暮らしをしなければなりません。編入した場合には大学2年間分の家賃・光熱費などが不要です。上記の2点から、大学卒業にかかるまでの費用がかなり安くなると言えます。

大学編入した場合、普通科→大学進学に比べて時間的余裕がある
一般入試よりも編入学試験の方が試験科目が少なく、時間的に余裕があると思います。

大学編入試験が複数校併願でき、大学入試の精神的負荷が小さい
大学編入試験は試験日程が被らない限り何校でも併願できます。このため、普通科から大学受験するよりも遥かに気楽に受けることができます。

高専専攻科→大学院は金銭的にも時間的にも余裕が多い
実家から通える位置に大学がない場合、高専専攻科→大学院と進学すると、大学→大学院と進む場合と比べて家賃・光熱費等が4年分安くなります。結局、最終学歴が重要なので、専攻科に進学し、大学院に進学する選択肢もありと思います。正直、大学院入試は大学一般入試や大学編入試験と比べて、かなり簡単です。

校則が緩くアルバイトやバイクに乗ることなどが出来る
高校だと校則が厳しくアルバイトやバイクに乗ることが出来ないところが大半だと思います。しかし、高専では問題ないです。また、髪を染めることもできます。

卒業できれば100%就職できる
本人が望まない場合は別ですが、就職は必ずできると思います。しかも、大企業にも入れます。

同級生がある程度賢い人が多い
一般的に高専の偏差値は高いので、ある程度賢い人が集まります。

高専のデメリット

専門分野が合わないとつらい
中学卒業時の良く分からない状態で専攻科目を決めるわけです。ゲームが好きだからプログラミングが好きや車が好きだから機械工学が好きだとかは限りませんよね。興味の無いことを勉強することは苦痛でしかありません。

進路修正が厳しい
専攻科目が合わず、3年で辞めて大学進学を考える人もいます。制度的には可能なのですが、学習カリキュラム的に3年の時にセンター試験を受けて大学に入るということは厳しいです。18歳の段階で1年浪人して、大学受験するという選択をとれる人は少ないため、進路修正が難しいです。

自分を律する必要がある
中学時代と違い学習塾に通わなくなるので、自分を律することが出来ないと、良い成績を納めることが出来ません。自分を律して勉強できない性格だと、中学時代は優秀だったのに、高専では成績下位や単位が取れず退学するということになる人もいます。

留年率が高い
赤点が60点で卒業するためにはある程度真面目に勉強する必要があります。そのため、留年率が高く入学時のクラスメイトの2割くらいが下の学年になっていたり、辞めていたりします。

英語教育が不十分
高専のカリキュラムでは、英語教育は不十分だと思います。エンジニアとして活躍するのならば、英語は必須と考えます。英語は個人でも勉強しやすいと思うので、自分で勉強することを意識しましょう。

教養が無い
本人次第な気もしますが、私自身も含めて教養が無い人が多いと感じます。

男女比の偏りが激しい
化学系やバイオ系以外のクラスに女の子がいないことも珍しくありません。青春は感じませんでした…

オタク気質な人が多い
これはメリットでもあるのですが、デメリットでもあります。テレビゲーム等では盛り上がれますが、文化祭や体育祭などで盛り上がれないです。ただし、土木系は例外です。

高専卒で終わると学歴としてはいまいちで出世は期待できない
日本の大企業に勤める場合には、学歴も重要要素です。高専卒や専攻科卒で終わると、大企業の総合職で出世していくということはほぼ100%不可能です。人事制度上不可能なことも少なくないです。

視野の狭い人間になりかねない
高専は5年間メンバーがほぼ一緒になります。そのため、人間関係が狭くなり、視野も狭くなりやすいです。

まとめ

今回は、卒業生として思う高専のメリット・デメリットを列挙しました。

本当にエンジニアに成りたい人にとっては、金銭的・時間的・教育環境的に優れた学校だと思います。しかし、本人の性格を踏まえて、進学すべきかどうかをよく考える必要がある学校だとも思います。

次回は高専進学について思うことを個人的な意見を書いていきたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました